初めての恋

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初めての恋⑩ 樫野に告白する・・。 もし、ダメだったとしても・・少しでも希望があるなら・・その可能性にかけてみたい。 「花房くん・・あのね!私・・」 「決めたんだね、いちごちゃん。なら、僕は何も言わず応援してるからね♪」 私の言葉を、さえぎるように彼は言う。 この人は凄い・・お世辞とかじゃなくて私が困って悩んだり、何かを決断した時は必ず欲しい言葉をくれる。 ガチャーー。 保健室のドアが開いて安藤が入ってくる。 私の元気そうな顔をみて安心したらしく 「樫野なら調理室で練習してるから行っておいでよ・・天野さん」 私が今から会いに行く人の居場所を教えてくれた。 彼らの気遣いが嬉しくて、いちごの目から涙がこぼれる。 今度は安藤が自分のハンカチをポケットからだして涙を拭いてくれた。 「大丈夫・・いちごちゃんなら上手く気持ち伝えられるよ♪」 「そうだね。自分を信じて・・」 二人に励まされた私は 「ありがとう、私!行ってくる!」 そう言って、保健室を出て調理室へと向かった。
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