初めての恋

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初めての恋⑪ いちごは調理室へ向かう途中で窓から外を見ると中庭に、これから自分の気持ちを伝える相手の姿を見かける。 私は急いで階段を降りて中庭に出ると彼は、まだそこに居て・・・ スケッチブックに何かをデッサンしながら時々、夕やけ色の空を見上げていた。 「か・・樫野・・!ハァ・・ハァ・・ここに・・居た・・んだ」 急いで走ってきたせいか、ちょっと息が苦しい。 彼は慌てて持っていたスケッチブックをとじると、私に近づき 「天野?俺を探していたのか?」 背中を優しくさすりながら言う。 この優しさだ。私が欲しかったのは・・やっぱり、この人の事が・・・ううん、樫野 真が大好き。 「ねぇ、樫野。伝えたい事があるんだけど良いかな?」 大好きになった彼の顔を見ながら話す。 「あぁ、俺もお前に・・伝えなきゃいけねぇ事がある。」 彼は、そう言うと私の手を引っ張ってどこかへ向かう。
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