夢色ﾊﾟﾃｨｼｴｰﾙ~ｱﾌﾀｰｽﾄｰﾘｰ~

結婚式～happy wedding～

結婚式～happy wedding～③

空港内から外に出ると真夏の日差しが、まぶしかった。

二人はタクシーに乗り込み、いちごは実家の住所を運転手に伝える。

私の隣では樫野が帰国する飛行機内で書いてた紙を見ながら時々、落ち着かない様子で景色を眺める。

「ねぇ・・さっきから思ったんだけど、その紙何？」
私は気になり聞いてみる。

最初は「あとでわかる・・」
それしか言ってくれなかったが、しつこく聞くと軽くタメ息をついて

「結婚・・・の挨拶だよ・・」
照れながら教えてくれた。

そういえば昔から、勉強もスイーツ作りも妥協しない人だったけ・・

「明日は結婚式かぁ～」
左手の薬指に輝く婚約指輪を見ながら、私は言う。

まさか、こんな日が来るとは思わなかった。
性格や考え方も正反対・・・なのに気がつけば彼を好きになっていた。

樫野との結婚が決まった時、真っ先に実家に電話で報告したっけ・・

ママと妹の、なつめは『おめでとう』と、喜んでくれたが・・・
パパだけは『一度、ちゃんと話をさせなさい』なんて言ってたっけ・・

そんな事を思いだしてるうちにタクシーは実家の前に停まった。