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結婚式~happy wedding~⑤
二人は家の中に入るとリビングにあるソファーに座った。
「樫野くんは紅茶でいいかしら?」
キッチンからママが顔を覗かせながら聞いてきた。
「・・はい。お願いします。」
まだ、緊張してるようだ。
まぁ・・・仕方ないといえば仕方ないのだが・・・。
パパは、さっきから新聞を読んでいる。話かけずらい・・。
しばらくの間、沈黙がながれ・・
「あの、お話しがあるんですが・・良いですか?」
彼から話を切りだした。
「・・話の内容は、だいたい予想できるが・・とりあえず聞こう」
読んでた新聞を片付けて樫野の顔を見ながら話す。
彼の横に座ってる私も、なんだか緊張してきた。
「天・・いちごさんと結婚させてください。お願いします!」
頭を軽くさげて言う。
ママはテーブルの上に紅茶がはいったカップを置きながら何も言わずに話を黙って聞いている。
「樫野くん・・君の気持ちはわかった。だが、娘を必ず幸せにできるのか?」
心配するのも当然だろう・・パティシエといえども必ずや成功するとは限らないのだから・・。
「はい!必ず、幸せにしてみせます!」
迷うことなく樫野は即答する。さっきまで自信がない・・などと弱音をはいてたのが、まるで嘘のようだ。
彼がどれだけ本気で私を愛してる・・・その気持ちが伝わったのか
「わかった・・君を信じよう。娘を頼んだぞ!」
二人の婚約を、あっさり認める。
「ありがとうございます!」
樫野は改めて頭をさげる。
黙って話の進展を見守っていたママも
「おめでとう!」嬉しそうに言った。
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