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私の大切な人⑦
真は下に降り、厨房と店内の電気をつけて入り口のカーテンを開けると。
OPEN時間までまだ10分ほどあるのだが店の前には、すでにお客さんが何人か並んでいた。
少し早いと思ったが彼は鍵を開けてドアを開ける。
それと同時にお客さんが店内に入ってきてお目当てのスイーツを探す。
二人が経営するこのお店の目玉商品は真が作ったチョコレートケーキや、いちごがデザインを考えたフルーツタルトが人気だ。
開店時間を少し過ぎて、いちごがエプロンを着けて降りてくる。
「拓真たちは?」
真は私の顔を見るなり聞いてきた。
「二人で絵本読んだりして遊んでるから大丈夫だよ。」
いちごは笑顔で言った。
この日もお客さんは多く、お昼を過ぎた頃にはケーキやタルトもほとんど売れてしまった。
「お客さん皆嬉しそうだったね」
私がそう言うと
「あぁ、そうだな・・スイーツ作りってやっぱ楽しいな。」
真も嬉しそうに話す。
13時を過ぎると、お客さんもほとんど来なくなり、いちごは「あと、お願いしても良いかな?拓真たちにご飯食べさせたいから」
そう言って2階へあがる。
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