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僕の教室は三階で、裕之の教室は二階のため、裕之はわざわざ上がって来てくれたことになる。
その心遣いに少し感謝しながら僕は了解と答える。
他愛もない話をしながら階段を降り下駄箱へ向かう。
「塾の友達がさぁ…最近おかしいんだよ…」
「何が?」
「そいつ他校の奴なんだけどかなり頭良くて、勉強のために帰宅部に入るような奴なんだ…」
僕も帰宅部だが、僕は部活に興味が無いから入らないだけだ。
「そいつが急に勉強なんて意味無いって言い出したんだよ。
それで急に剣道部に入って体を鍛え始めたんだ、なぁ、おかしくねぇ?」
「…心境の変化じゃない?」
聞き流して、適当な受け応えを返した。
靴を取ろうとしたとき、
「…あ、宿題のプリント教室に忘れた…」
僕はふと思い出した。
裕之は組が違うため少し下駄箱が離れている
だから多少大きな声で言った、
「裕之ー、教室に忘れ物したから急いで取ってくる
ちょっと先行ってて!」
「あぁ、分かった、
急げよ!」
僕は走り出した。
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