#02

2/30
前へ
/427ページ
次へ
カツカツ.... 「キャーー!」 「ちょっ、.... .... あの人だれ!?」 「チョーかっこいい!」 女子社員が上げる黄色い声を浴びせられる。 加えて。 あつーーい眼差しを受ける。 うるさい。 その男、玖珂薫は思う。 すれ違う社員に毎度同じようなリアクションをとられ、 それに対して作り笑顔返すことは大変つかれる。 これじゃあ部長のところに着くまで身がもたない.... 同じフロアをいったり来たり。 探しているのは業務部の榎本部長のデスク。 ここに訪れたのは一年ぶりだが.... おかしい。 このフロアの筈なのに。 周辺をうろうろするも、目に入るのは数々の眼差し。 勘弁してくれ.... というか、 「こんなに探してもないなんて.... 。」 場所が移動してしまったのだろうか? すっかり困り果てて、さすがに誰かに尋ねるか、と思ったとき。 「本日配属になられる玖珂課長でしょうか?」 声をかけられた。
/427ページ

最初のコメントを投稿しよう!

169人が本棚に入れています
本棚に追加