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青信号。
バレないように目だけで玖珂は黒江を見た。
この女....
俺に全く媚びようとしないんだな....
玖珂は自分の整った容姿を充分自覚していた。
その容姿のせいで幾度となく女に泣かれ、また好かれ、挙げ句毎度、
『アタシと仕事、どっちが大切なのよ!』
即答で『仕事。』
で、終了。
自分を保証してくれるのは、女じゃない。
自分自身のスキルと、
それを、糧とする仕事だ。
だいたい、女は身勝手すぎる。
それにしても....
「.... .... 。」
「.... .... 。」
会話がないな。
俺の横で顔色ひとつ変えないなんて。
玖珂は、
「黒江さん、だったかな?」
声をかけた。
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