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エレベーターに乗り、ロビーへ。
大役を任せられた嬉しさを噛みしめながら、玖珂のもとへ行く。
ロビーにつき、玖珂を探す。
窓際のソファに腰を下ろし、パラパラと何か資料の様なものを繰りながら見ていた。
眼鏡かけてる.... .... 。
にやけた顔を引き締め、少し駆け足で近付き、
「すみません、玖珂課長。お待たせ致しました。」
「あぁ。.... .... .... 。」
「?」
玖珂は不思議そうに黒江を眺めて、
「.... .... 今日、直帰でもするつもりか?」
え?
「.... .... いえ?」
何故?
いや、と玖珂は
「荷物多すぎやしないか?.... それに、そのケース.... 」
その視線は黒江の右脇に抱えられたキャリーケース。
「あの.... ....?」
何かを変だろうか?
も、もしかして....
この格好では先方に失礼にあたるとか....
「.... なにか、変でしょうか....?その、失礼にあたりますかね?」
先方に。
だが、意味を取り違えたらしい玖珂は
「.... 失礼って大袈裟な。.... 別に気にしない。」
その荷物の多さには。
まぁ、いい。
「よし、じゃあ行くぞ。」
薄いシルバーフレームの眼鏡を外しケースにしまう。
歩幅の違う玖珂に、荷物の多さに引っ張られながらいそいそとついていく。
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