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そして、黒いストレートの髪を掴むとズルリ、と剥ぎ取った。
同時にさらり、と零れるプラチナブロンドの髪。
ロングヘアというほど長くはないセミロングの髪がゆれる。
鏡に映るのは。
淡紫色の双瞳に薄く輝く金色の髪。
それは、普段社内でみせるそれとはまるで別人の姿。
「.... 。」
いやだな。と、黒江はおもう。
黒江は日本人。
だが、日本の血は四分の一しか入っていない。
母親はアメリカ人。
父はイギリス人と日本人のハーフ。
母親は病弱で、父親は仕事で忙しく世界中飛び回っていたため、幼少期は父方の祖母のいる長野県で過ごした。
幼い頃から日本で過ごしていたため、外見に似合わず日本語はご覧の通り堪能だが、英語はボチボチ。
英語技能検定2級を受験回数5回目にしてついこの間取得したばかり。
ついでに二次試験面接得点はボーダーの+2点という。
面接官も少なからず驚いていた。
明らかに日本人ぽくない外見と、
外見にそぐわないトーキングレベルの低さに。
さぞ笑い者だろう。
同期の司はペラペラなのに。
TOEIC なんてもっての他である。
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