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第一、この外見で得した事など一度もないのだ。
小学生の頃はからかわれるし、好奇の目で射られるし、
中学生では目立ちすぎる外見に距離を置かれ、観光で訪れた外国人に容赦なくネイティブイングリッシュで道を訪ねられ、挙げ句変な趣味の方に連れていかれそうになった。
いい迷惑だ。
このカラコンと、ウィッグを高校からつけ始め、ようやく日本人らしさを手にいれたとおもった。
が。
もともと日本人離れした容姿に馴染むわけもなく。
出会う人出会う人に違和感のある視線を送られ続けた。
どんなに頑張っても理想にはたどり着けない現実を知る。
それが悲しい。
最近は、
どうしてせっかく黒髪を手にいれたのにも関わらず茶髪や金髪にしてしまう人がいるのだろう。理解に苦しむ、とまで感じる。
苦々しく鏡に映る自身を睨み付け、視線を外す。
ウィッグをぽいと床に落とし、服を脱ぎ、シャワーを浴びながら、
体つきも日本人とはまるで違う姿にすら嫌気がさしていた。
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