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++++ 『ウケないって.... 』 そんなことないに決まってる。 司はそう思った。 司は黒江がそのような容姿にであることを知っている、唯一の理解者である。 幾度か、黒江の自宅でだけだが、黒江のスッピンを見ている。 思うに。 かなりの美人。 外国人でも、ここまでは.... と思うほど。 すっと通った鼻筋、薄い唇。透き通るような肌。 確かに。 東洋系の顔つきとは..... まぁ、程遠いだろう。 その容姿に、初めて見たときは本当に驚いた。 なにより。 自分の素を見られている黒江は本当に嫌そうにしていることにも、だ。 けれど。 理由を知ったとき、同時に知る。 万人がそうではないのだ。と。 美人なんだから自覚をもって、なんてそう易々と言ってはいけない。 個人の望むものは世間一般論にあててはいけないのだ。 それからは、司が主観で黒江の容姿に対する発言をすることはなくなった。 それでも、 外見云々置いていて、自身をもって欲しい。 司は、そう思う。
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