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第1章 始まりの便り
「此処は…どこ?」
少女は、紅い部屋で誰かに問う。
当然…答えなど帰って来ない
少し寂しさを感じ俯く。
床も、壁も体さえ真っ赤だ
何もかも紅く塗り潰されている
何でこんな場所に居るんだろうと考える
答えは、すぐ出た
何でこの部屋が真っ赤なのかも…
そうこれは血だ
大切な人の血
自ら殺めた人の血
耳なりがする
何も見えなくなる
少女は叫ぶ…
狂い叫ぶ…
頭に響くのは、耳なりと
遠くで鳴く蝉の声。
だけど、こんなに叫んでいるのに…
ー自らの声は聞こえないー
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