蒼いミサンガ

１ 宇野礼

　空がどんより暗くなる。知っている。これから雨が降るんだ。しかも土砂降りの。ほら、降り出した。体がびしょびしょになっていく。ふと、私は崖の上にいた。ぎりぎりのところから下を見る。下は海で波が岩にぶつかっている。

　私は悲しそうに海を見る。なぜだか海がひどく怒っているかのように思えた。空は私の心を表しているかのようにさらに暗く、雫を落とす。
「ごめんね、私はもう耐えられないよ。みんな、ありがとう」そっと私は涙を流しながら思う。浮かんでくるたくさんの人たち。１人で涙を拭き、決意する。
「もう、楽になるよ。次の世界では何が待っているのかな？」心の中で謝り、そして崖から身を投げようとした。