ー第一話ー

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利通「……ふぅ。」 と、襖がしまった途端に大久保さんは溜息をついた。 利通「……どうした?黙り込んで。」 大久保さんはスーツの上着を脱ぎながら私のそばに寄ってきた。 私は何となく顔が見られなかった。 あやめ「……何でもないですよ。」 利通「…ほう?」 と、大久保さんは突然私の頬に手を添えた。 あやめ「!!」 利通「嘘が巧くなったかと思ったが、私には嘘はつけないな。 分かりやすすぎる、小娘。」 あやめ「も…もう!!小娘って言わないって約束したじゃないですか!!」 利通「まだまだ子供だと言うことだ。 大方先ほどの事で嫉妬をしているのだろう?」 嫉妬、という言葉に思わず顔が赤くなった。 あやめ「ち、違います!別に嫉妬なんか…!」 利通「言うな、やかましい。 それに言わせるな、私はあやめだけを愛しているのなど、自明の理だろう。」 !!! さ、さ、さらっと、恥ずかしい事を…! 顔がボッと赤くなるのが分かった。 利通「…ふむ、その顔、なかなか良いぞ?」 あやめ「!!!も、もうっ!!」 な、何でもう……意地悪っ!!
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