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利通「……ふぅ。」
と、襖がしまった途端に大久保さんは溜息をついた。
利通「……どうした?黙り込んで。」
大久保さんはスーツの上着を脱ぎながら私のそばに寄ってきた。
私は何となく顔が見られなかった。
あやめ「……何でもないですよ。」
利通「…ほう?」
と、大久保さんは突然私の頬に手を添えた。
あやめ「!!」
利通「嘘が巧くなったかと思ったが、私には嘘はつけないな。
分かりやすすぎる、小娘。」
あやめ「も…もう!!小娘って言わないって約束したじゃないですか!!」
利通「まだまだ子供だと言うことだ。
大方先ほどの事で嫉妬をしているのだろう?」
嫉妬、という言葉に思わず顔が赤くなった。
あやめ「ち、違います!別に嫉妬なんか…!」
利通「言うな、やかましい。
それに言わせるな、私はあやめだけを愛しているのなど、自明の理だろう。」
!!!
さ、さ、さらっと、恥ずかしい事を…!
顔がボッと赤くなるのが分かった。
利通「…ふむ、その顔、なかなか良いぞ?」
あやめ「!!!も、もうっ!!」
な、何でもう……意地悪っ!!
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