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利通「おいあやめ、今映っているのは何だ?」
と、大久保さんはテレビの画面から顔を剥がさずにそう尋ねた。
見てみると、ちょうどニュースをやっていて、最近起きた事件とか政治とかを報道している。
今は銀行強盗を捕まえた、というニュースの真っ最中だった。
あやめ「ニュースって言うんです。その日にあった出来事とか、色々報道してくれるんです。」
利通「瓦版のようなものか…。ん?」
と、また大久保さんはテレビの画面を指さした。
利通「お前の世界では政府の役人が盗人を捕らえるのか?」
あやめ「え?」
そこにはスーツを着た刑事が強盗を取り押さえる映像がちょうど流れていた。
そういえば、大久保さんもスーツ着てるから…そんな風に思っちゃったのか。
あやめ「んー、政府の役人というか、公務員ですね。」
利通「公務員?何か違うのか。」
あやめ「違うというか…事件の捜査とか、治安の維持とか、そういう犯罪を取り締まるのが仕事なんです。」
利通「奉行所とは違うのか?」
あやめ「奉行所……ってあれ、裁判もやりますよね。警察はやらないんです。権力が偏らないように。」
そんなもんだよね?
拙い説明にも大久保さんは何度か頷いて、
利通「権力を分散させることで均衡をはかるのか……。興味深い。」
と、にやにや笑っていた。
ちょっと……気持ち悪いかな。うん。
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