199人が本棚に入れています
本棚に追加
「な、かまる?たっちゃんに見られたら、どうすんの…」
それ。大人しく俺の胸に収まりながら、言う台詞じゃなくね?
つかそう思うんなら、最初から俺の部屋に来んな。
たつやに対する罪悪感が、なかった訳ではないけれど。
それ以上に、幾重にも被さった仮面を剥いでやりたくなった。
「かめ。お前が、煽るのが悪いんだよ」
「え?わ…っ、ちょ、なに」
シーツに手首を縫い付けられたかめは、驚きに目を見開き。
少し困ったような、脅えたような表情を浮かべたものの。
「…ふぅん。なかまるって、そんな顔もできるんだ」
直ぐに、ニヤリと口端を歪めて魅せる。
「なに。バカにしてんの?」
「ううん。超エロい顔してんなーって、誉めてんの」
ファンの子にも、見せてあげればいいのに。喜ぶよ?
って、かめは言うけれど。
普段見せないからこそ、大事な場面で効力を発揮するんだよ。
例えば、今……とかね。
「かぁめ。もう、黙って?」
賢いお前は、こうなる事も予想の範疇だったのかな?
「っ…んん。なかま、る…ぅ」
たつやのとは違う薄い唇は、しっとりと柔らかくて。
逃げる素振りを見せたり、自分から仕掛けてきたりする舌は。
駆け引き上手なかめ、そのもの。
「はっ…、ふぅ、ん…。や、ぁ…っ」
合間に漏れる声も吐息も、飛びきりに甘くて。
こりゃ、あかにしが手放さねー訳だ。
なんて思いながら、つい夢中になって貪っていたら。
.
最初のコメントを投稿しよう!