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その日の終業後、志乃は添田とまた対峙している。 あのランチの後、添田に言われた。 「とにかく、話は夜だ。付き合えよ。言い分があるなら夜聞いてやる」 強い視線に押され、半ば諦めた感で仕方なく志乃は付き合う事にした。 添田の行きつけのバーに連れていかれ、店内の奥にあるソファー席に案内された。 ソファーは革張りで座り心地がとても良く、一日の疲れを癒してくれるかの様な錯覚さえ覚える。 生ビールと軽いつまみを頼んだ添田は、 「酒で何もかもチャラにはならないぞ。その場しのぎに過ぎない」 (何が言いたいの、こいつ) 「だから、酒を飲んでもその時だけしか自分を誤魔化せないって事」 まるで志乃が酒に逃げてるとでも言いたいようだ。 確かに正解。 志乃は毎日尋常でない量を飲む。 外で飲むのは週1回位だが、毎日浴びる程飲み、ほとんど記憶のない状態で朝を迎えるのが定例となっている。
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