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「お断りします。なんのメリットも感じない。それに、自分の体は自分で良く分かってます」 志乃は、これ以上は話していても埒があかないと感じ、席を立った。 「もういいですか?せっかくの週末なので、部長もゆっくりされてください」 取り付く島もない勢いで店を出る志乃に、添田はふっと笑い、今まで志乃が座っていた向かいのソファーに目をやった。 そこには、志乃が大事にしている眼鏡がポツンと忘れられている。 それを見つけた添田は、眼鏡を手に取り、 「マスター、悪い。ツケておいて!」 そう言いながら、勢いよく店を駆け出した。 「どっちに行った・・・?」 走りながら志乃の携帯を鳴らす。 10コール程鳴らしただろうか。 コール音が途切れ、電話の向こうから志乃の怠そうな声が聞こえた。
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