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「高広!こっち、ちょーきれい!」 さっきまで青かった空が、もう赤い。 こんなに時間過ぎるのってはやかったっけ・・・? 「おい、美羽!危ないぞ!」 「だーいじょうぶ、きゃっ」 いきなり足を滑らせる。すぐに高広が腕をつかむ。 「全然大丈夫じゃねーじゃん。」 そんな事いいながらちゃんと助けてくれるじゃん。 そういうとこ、好き。 大好き。 捕まれた腕が、自然に繋がれる。 「もう卒業かー・・・小学6年間、長かったような、短かったような・・・」 「俺は、美羽がいたからはやかったかな。」 「えへへ。ありがと。私、高広がいないとなんもできないや。」 二人でいると、幸せ。 もっと、喋りたい。 ずっといっしょにいたい。 「来年も、またこような。」 「うん。」 私と彼の、秘密の場所。 またこれるって、 思ってたんだ。
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