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他者を批判している者が居れば、必死にどちらが悪いか親身に考えた。
誰かが亡くなれば、その悲報に胸を痛めた。
他人の無念を感じれば、その者の代わりに敵を呪った。
そんな俺でも、そいつらと同類に堕ちてしまった。
そこまで腐ってはいなくても、結局無関心になると言う事はそう言うことなのだろう。
「……生きた年数より、考えた年数」
無駄に生きていても、全く持って意味が無い。
一つ一つの事象に対して、考え、悩み、そして答えを導き出す。
その工程から目を背けていては、人は人を幸せに出来ることはあり得ない。
「……はぁー……」
憂鬱な気分になりながらも、やりきれない気持ちに包まれる俺。
しかし、周囲の人間は違った。
嬉々としてチョコレートを貰えるか貰えないかと無駄な論議に時間を費やし、
チョコレートを渡そうか渡さないでおこうかと、空白の時間を過ごしている。
そんな時、俺は密音と出会った。
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