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「悪魔が神と戦うためにやっていることの中で、一番に成功していることは何か知っているか?」
俺は正直、どうしようもない人間だ。定職にも就けず、精神科の世話になるような病気になって、いい歳した大人のくせに親に援助して貰わなきゃ生活も成り立たないんだ。
子供の頃から人間が嫌いだった。ああ、これじゃあただの格好付けだな。違う、怖かったんだ、他人に蔑まれるのが。
それが見た目の良さだとか性格だとか、そんなもんに始まって学校の成績やら何から何まで。
どんな小さな下手を打つのも怖くてさ、とにかく他人に馬鹿にされて見下されるのが怖くて怖くて、だから必死で他人に合わせて御機嫌伺って、一方で「強引にでも我を通す」振りをして他人が俺の顔色伺うような役柄演じてみたりな。
まあ、しんどかった。毎日毎日、生きているのがしんどかったよ。自分がしていることが卑屈に思えて嫌になって、どうして生きているのかわからなくて、自分がどうしようもなく駄目な存在に思えて、そして益々他人が怖くなった。
他人の視線も言動も、全部「お前が悪い」って言っているように感じるんだよ。
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