タイトルのない日常

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タイトルのない日常

「『ライフ・イズ・ライク・ア・ムービー』――つまり、人生ってのは映画なんだ」 そんな持論を、眞柴想一は滔々と語った。 すると、鳥原亜紀が疑問を投げ掛ける。 「言わんとすることは解るけど、それは映画に限ったことではないでしょう? 小説やマンガ、ドラマにアニメ……詩曲にだって同じことが言えるはずよ」 否定的な意見にもかかわらず、眞柴は満足げに頷いた。 そして、まるで用意していたように言う。 「勿論。それらを原案とした映画も多々あるし、内容的には引けを取らない。アニメ映画もあるくらいだしね」 含みを持たせた、思わせぶりな物言いだ。 「ただ、僕は映画という規格を人生と捉えている訳じゃないんだ。人生とは自分が主人公の映画のようなもの、と言うのは――」
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