タイトルのない日常

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ふと見た窓の外は、相変わらずの雨。いくら梅雨とはいえ、連日のこととなると、季語としての趣に欠ける。 そんなことを考えていると、不意に―― 「……はぁ」 真向かいに座る少女が、あくびのような溜息をこぼした。 遠藤真帆。細身で色白という、いかにもインドアな雰囲気の少女だが、その印象がマイナスになることはないだろう。むしろ、小柄で可愛いらしく感じる。 まあ、それも美少女の特権というやつだろうか。 真帆は一見すると自習をしているようにも見えるが、それはポーズだろう。 眼差しに覇気がないし、そもそも手元を見ていない。 頬杖をついて、あの2人を傍観する姿は、塀の上に寝そべる猫が、さもけだるげに人間を見詰める様に似て映る。
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