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『水城 水月(みずき みづき)』
高校三年生。
大和撫子然とした佇まい、訊くところによると学年トップの成績、剣道や合気道も嗜む文武両道。
そして何より、容姿端麗。
全校生徒の憧れの的であるそんな生徒会長。
僕の僅かな語彙では表現しきれないけれど、彼女は正しく“超人”。
“常人を超えた人”ではなく、彼女は“人を超えた何か”だ。
僕は何故か、入学して早々にそんな水城先輩に屋上へ呼び出された。それもラヴレター風の手紙で。
それが多分、悪魔の罠だった。
意気揚々と屋上に出向いた僕は、自身の間抜けさに呆れ果てたけれど、それはもう後の祭りだった。
桜の花びらが舞う幻想的な雰囲気を醸し出す屋上で待っていたのは、生徒会長である水城先輩と三年生の先輩方。
甘酸っぱい何か、を期待していた僕の期待は見事に打崩されることになる。がっかりというか、びっくりというか。
僕が呼び出された理由は、生徒会への勧誘と三年生の先輩方による“試験”。
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