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食べてる間、完全に無言だった。 息が詰まりそうになりつつ、クリームパンが喉に詰まって噎せた。 昼食を食べ終えると、早速ヒミコが神楽にちょっかいを出していた。 ヒミコの誰に対しても遠慮しないこういうところは、尊敬できるし素直に羨ましい。 神楽の持つスケッチブックに興味を持ったのか、ヒミコは訊ねる。 「ねーねー! くうちゃん! それなぁに?」 くうちゃん? あぁ、“空白の虚実”からとったのか。 「ん? これか? これは俺様ちゃんと“煉獄の劫火”の楽園(エデン)のように熱く、天使のように白く、接吻よりも甘い思い出の記録だ」 嘘を吐くな、嘘を。沙夜が超睨んでくるから、お願いだからやめて。 「えー!? 見ても良い!?」 駄目に決まってるだろう。 「構わんぞ」 おいこら! 神楽さん!
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