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――在り、得ない。 「こんにちわー!」 ヒミコが今さらのように、挨拶を返す。それに倣うようにして、五十嵐が口を開いた。 「こんにちは、“アマツカミ”のキジマ……先輩」 「おや? 五十嵐君はぼくの事を知っているのかい? だったら、そんなに怯える必要は無いじゃないか」 ぼくは咬みつかない、とキジマ先輩は宥める様に優しい口調で言う。 「五十嵐、知り合い?」 「そう言う訳じゃない――勘違いするなよ、別に隠していたつもりも無いんだからな。この前、少し『ゆめこう』のランキングの話しただろ」 帰り道での取り留めない雑談の内の一つ。 『ゆめこう』のランキング――ランキング制度の話。
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