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そんな“Eランカー”に対して、『ゆめこう』は驚くほど寛容だそうだ。 現在、『ゆめこう』に在籍している“Eランカー”は三十人もいないそうだけど、毎日学校に登校している者はその半数にも満たない。 登校しなくていい、授業を受けなくていい、行事に参加しなくていい。 ただ、生徒名簿に名前を連ねているだけでいい、と言うのが“学校側”の考え方らしい。 “Eランカー”としても、渡りに船な制度だと言える。 分り易く言えば、基本的に“Eランク”を付けられるような人間は“社会不適合者”だったり、“人間不信”であったりする。 居るだけで和を乱す、居るだけで普通の人に良くない影響を及ぼす“可能性”がある。 異常で、異質で、歪な者達。それが“Eランカー”。
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