005

26/27
前へ
/300ページ
次へ
林間学校――覚えているのは、みんなで花火をした事。 そして、僕が沙夜に心奪われた事。 その前に――そうか、そうだった。 生徒会長が僕と沙夜、この時は沙夜だけだったけれど、その能力を見たがっていた。 あれはそういう事だったのか。 「今ここで、やろうって事か」 五十嵐が言う。自分を奮い立たせるように。 「いやいや、もう昼休みも終わるし。放課後、時間空いてないかな? 五十嵐君に虎河ちゃん、それに枝郷ちゃん? と言っても君達に拒否権は無いけどね。放課後、グラウンドに動きやすい恰好で来る事」 要件はそれだけ。じゃ、また放課後。 そう言い残して、城島先輩はくるりと反転し、屋上を去った。
/300ページ

最初のコメントを投稿しよう!

41人が本棚に入れています
本棚に追加