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「五十嵐、どうするの?」 僕がそんな風に訊ねると、五十嵐は困ったように、心底困ったように。 「さて、どうすっかな」 と、頭を掻いた。 別に相手はこちらをどうこうするつもりは無いのだろうけど、僕が思うに五十嵐は姫島先輩と同じタイプの人だ。 能力を使いたくない、能力を否定している。 ヒミコと神楽は、震えていた。 恐怖なんかじゃない、この二人は――恐らく―― 喜んでいる、歓喜している。 顔を見れば、一目瞭然。 良い笑顔と悪い笑顔がそこにはあった。
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