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「あら、何かしら? 虎河さん」 優しい口調で、子供の質問に応える様に会長が言う。 「あのね、あのね? 会長さん、ヒミコちゃんもふうちゃんも能力を“使いたくない”の。ヒミコちゃん達の能力を教えてあげても良いけどねー。でも、見せたくないの」 準備運動までして、やる気満々のヒミコらしくないセリフだった。 「……ヒミコ」 「ふうちゃんは黙ってて」 「…………」 沈黙、会長の応えを待つ。 「……ふぅ、それは、駄目よ。虎河さん、わたし達にはあなた達の能力を“見て”、そして“判断”しなくてはならないという義務があります。例え、あなた達が抵抗しようと、わたし達は力ずくでもあなた達の能力“業(カルマ)”を見る必要があるの」  ごめんさないね、と困ったように、本当に申し訳ないように言う。 E(エラー)で良いでしょうが! なんで、業(カルマ)って言うんですかっ!? 相変わらず、会長の嫌がらせは続いていた。
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