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「……俺が、行こう」 生徒会メンバーの中で唯一の肉体派、津久見先輩が歩み寄ってくる。 夏服がぴっちぴっちにはち切れそうなほどに、ムキムキな彼。 身長は百九十センチを超え、体重は百キロ近い巨躯。 そんな彼がヒミコまで五メートルほどに近付いた時―― 重いお腹に響くような音が三回鳴った、いや轟いた。 ヒミコが地面を蹴って津久見先輩の目の前まで迫り―― 左手で津久見先輩の胸のあたりを撃ち―― 低く身を落とし全身のバネで跳ね上がり―― 背中で体当たりをした。 殆ど、一瞬の出来事だった。 実際、僕は見えていなかったけれど五十嵐に後で聞いた限り、そういう事が起こったらしい。
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