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あぁ、やっぱり? と、僕。 「“虎河流”ってのは、元々、開祖の『虎河 焔(こが ほむら)』が己の内に居る“虎”を扱い易くする為に、自分の力を普通に近づけるように“改悪”する為に考案した武術モドキだから、“虎河本家”の使う“虎河流”と一般の門下生の“虎河流”は別物なんだよ。とは言っても、勘違いするなよ――別に俺がヒミコより弱いって訳じゃねーんだからな」 改悪……されて、あれかよ。 「因みに、さっきのヒミコの左拳は“虎拳”と言う。相手に当てない打撃で、拳と対象物の間の空気が破裂してダメージを与えるというもの。要は“凄い寸止め”だ」 寸止めって、そんなレベルじゃなかったろうに。 そんな風に五十嵐と話していると、校舎から津久見先輩が出てきた。 首をコキコキと鳴らしているように、振って―― 意外に元気っ!?
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