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流石にエラーも使わずにリタイアしてしまったら、本当に三下扱いになってしまう。 一応、“Eランク”序列第五位なのだ。後輩に瞬殺されてしまったら、面目が立たないと言う話どころでは無い。 凄い人なんですよ、津久見先輩は。 「あれれー? ダイジョブー!? せんぱーい?」 「……いや、たぶん骨が数か所折れた」 胸のあたりを擦りつつ、低く重い声で言う。 しかし、流石に丈夫な先輩だ。普通ならと言う言い方はあまり当てには成らないけれど、肉体派と言っても身体に関しては普通の域を出ない筈なのに。 再び、ヒミコが津久見先輩に迫る。 「……“郷愁旅路(ノスタルジアドライブ)”」 ヒミコの動きがぴたりと、止まる。 慣性とか一切無視で、片足を宙に浮かせたままに止まる。 停止、した。完全に。
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