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てくてくと、津久見先輩はヒミコの横を通り過ぎて―― 「あれっ!?」 ヒミコが動き出す。 突進の勢いを殺せず砂埃を巻き上げながら、きょろきょろと辺りを見回す。  何だ? ヒミコの様子がおかしい。 いや、ヒミコはいつもおかしいんだけど。 「……どうかしたか?」 「つくみー先輩の能力って、瞬間移動だっけ?」 「自分の能力を教えないのに、他人のは気になるか?」 「むー、いやな言い方ー! 教えても良いけど! 見せるのはヤっ!」 またも、ぴたりとヒミコが止まる。 そうか、これが津久見先輩の能力“郷愁旅路(ノスタルジアドライブ)”か。 時間停止では無く、意識や身体の反応の遮断なのかな?  僕らに影響無いって事は、範囲は十メートル前後って感じかな?
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