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それでも、ヒミコの攻撃がかすりもしていない。 竹田先輩の能力、“運命探知(リーディングシュタイナー)”は未来予知。 流石と言うか何と言うか。 でも、何だか竹田先輩が活躍するというのはいただけない。 「ねぇ、沙夜。鏡か何か持ってない?」 「持っているわよ。私の物を一体何に使うと言うのかしら?」 「いや、ちょっと目にゴミが……」 「取ってあげましょうか?」 沙夜が僕の顔を覗き込む。可愛い。   「いや、大丈夫。自分で取るよ」 そう、と沙夜から鏡を受け取る。シンプルなデザインの二つ折にされた鏡。 僕はそれで太陽光を反射させて、竹田先輩の顔を照らす。
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