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「うおっ!? まぶしっ!?」   一瞬、竹田先輩の動きが止まる。 ヒミコが上体をねじり、竹田先輩に殆ど背を向けて、右拳を左手で包み込むようにして、叫んだ。 「もらったぁあああああっ!! くらえっ!! “虎河流”奥義! 『星崩れ』!」 奥義!? やばい、思ったよりもヒミコは熱くなっている。  竹田先輩、死んだな。 左手で押さえ込まれていた右拳が、解放される。裏拳のような動作で、右拳が竹田先輩の顔面に向かっていく。 ぴたり、とヒミコと竹田先輩の動きが止まる。 津久見先輩が竹田先輩を蹴飛ばし―― 「ぐおっ!? あっぶねぇええっ!」   「え? あれ? また!?」   同時に二人が動き出す。 全霊の一撃、全身で浴びせるような奥義『星崩れ』が外れて、ヒミコの体勢が思いきり崩れてこけた。グラウンドにべしゃりと叩きつけられる。 校舎一階の窓ガラスが一枚残らず割れてしまっているけど、奥義『星崩れ』の余波で割れてしまったみたい。   竹田先輩は尻もちをついて、立ち上がろうとしない。 腰が抜けたのかな? へたれが。
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