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五十嵐がヒミコを起こしながら――
「ヒミコ、もういい」
そう言った。
ヒミコの表情はこちら側からではよく見えないけど――
「ダメ! ダメダメ!! ヒミコちゃんはまだやれる! ふうちゃんは――」
「良いんだ、もういい。お前は見せたくないかも知れないが、俺は見せる事にした。この人達なら大丈夫だろ」
「良い……訳、無い……よー。だってふうちゃん……」
「良いんだ」
そう言って、五十嵐は津久見先輩と向き合う。
「夢乃園高等学校一年、『五十嵐風雨』――参る」
避けて下さい。そう呟いて、消えた。
消えたように見えた。見えなかったのだけど、見えたと言うのは変かな。
津久見先輩が崩れ落ちると、その向こうに五十嵐が居た。
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