006

24/26
前へ
/300ページ
次へ
火柱が上がる。圧倒的な熱量。周囲の温度も跳ね上がる。 その炎は天を焦がし、雲すら消し。 その炎の通る道は、世の一切を灰燼に帰す。 これが、ヒミコの能力か……。 燃え盛りながら、ヒミコは突進する。 気のせいか、炎を纏ったヒミコは“虎”のように見えた。 「うがぁぁああああっ!!!」 「“虎”の火魅子。やはり能力は“炎”だったみたいね」 冷静に分析し、会長は―― 「止まりなさい」 そう命令した。 ぴたりとは止まらない。 「うがぁぁぁああっ!! ぐるるっ! うがっ! うがぅあっ!!」 ぎぎぎ、と無理やりに命令に逆らうヒミコ。    それでも、会長の目の前で止まる。 頭の上に耳、腰から尻尾。手足は獣のように。 それらは全て炎で形成されている。
/300ページ

最初のコメントを投稿しよう!

41人が本棚に入れています
本棚に追加