007

5/16
前へ
/300ページ
次へ
“煉獄の劫火”は『最上 ゆとり』では無い。 “煉獄の劫火”も『最上 ゆとり』も、僕の一部もしくは一面でしか無い。 “煉獄の劫火”は僕で、『最上 ゆとり』も僕。 僕と言う個人を表現する為のツール、でしかない。 そして、彼女は違った。僕と同じように異質な彼女は僕とは違った。 そういったツールを、“空白の虚実”『枝郷 神楽』は持っていなかった。 だけど――今は違う。 今は持っている。手に入れた。 正確には、写し取ったのだけれど。 『枝郷 神楽』は“煉獄の劫火”であり―― そして、今は――『城島 光厳』でもある。
/300ページ

最初のコメントを投稿しよう!

41人が本棚に入れています
本棚に追加