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“煉獄の劫火”は『最上 ゆとり』では無い。
“煉獄の劫火”も『最上 ゆとり』も、僕の一部もしくは一面でしか無い。
“煉獄の劫火”は僕で、『最上 ゆとり』も僕。
僕と言う個人を表現する為のツール、でしかない。
そして、彼女は違った。僕と同じように異質な彼女は僕とは違った。
そういったツールを、“空白の虚実”『枝郷 神楽』は持っていなかった。
だけど――今は違う。
今は持っている。手に入れた。
正確には、写し取ったのだけれど。
『枝郷 神楽』は“煉獄の劫火”であり――
そして、今は――『城島 光厳』でもある。
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