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うーん、元々呼び出されたのは僕一人だし、沙夜まで一緒に行く理由は本当のところないのだけれど。
「沙夜、そんなに行きたくないなら先に――」
帰ってもいい、そう言おうと思ったのだけれど。
「嫌よ」と、即答されてしまった。
更に続けて、沙夜は僕を見つめて言う――
「貴方とあの人を二人きりになんてさせないわ」
そう言って、沙夜の僕の手を握る力が増す。爪が刺さってちょっと痛いくらい。
「ちょっと話を聞くだけだから。我慢して、ね?」
「……わかったわ、我慢します」
ありがとう、と僕は沙夜の手を引いて、生徒会室へ向かって歩き出した。
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