008

3/15
前へ
/300ページ
次へ
とりあえず、深呼吸し心を落ち着けて、身体の筋を伸ばしてから、沙夜の家のインターホンを鳴らす。 当然のように、返事は無い。 「留守……なのかな……?」 家の中には誰かいるような気配は無い。なんて言ってみても、気配なんてわからないのだけど。 ケータイを取り出して、メールを作成する。 何度か推敲し、無難な内容のメール。 [Date]20××/7/2×  [From]ゆとり [To]はにー [Sub]おはよ  [Temp] [Main] どうしたの? 今日は学校いけそうにない?  ごめんね、先に行くよ。 あまり気のきいた文章では無かったけど、僕の文章力ではそれが限界だった。 今までも、何度か沙夜にメールを送った事があるけど、返信が来た事なんて一度も無かったから、返信は期待せずに僕は一人で学校へと向かった。
/300ページ

最初のコメントを投稿しよう!

41人が本棚に入れています
本棚に追加