41人が本棚に入れています
本棚に追加
いつものように教室に入って、まず級友達に挨拶。
「おはよう」
級友達も挨拶を返してくれたけど、いつもとはどこか違っていた。
僕の姿を確認した後、何かに驚いていたようだった。
どよめきが朝の教室に走る。
何なんだろう? まあ、いいや。
僕は自分の席に向かい、前の席に座っている級友に、改めて挨拶をする。
「おはよう、五十嵐」
そして、そのまま席に着く。
「おは……おい、宵闇はどうした?」
ああ、それか。級友達が驚いていたのは、沙夜がいないって事なのか。
「んー、分らないんだ。昨日早退した理由も訊けなかったし。メールはしてみたけど」
鞄を机に掛けながら、返事をする。
しかし、僕と沙夜が同時に登校しないだけで、こんなにも教室内が騒然としてしまうのか。
級友達は、何やら一大スクープみたいに、騒ぎ立てていた。
「最上が独りで登校した!」とか。
「一体、二人に何が!?」とか。
「宵闇さん、どうしたんだろう?」とか。
「ついに破局か!?」とか。
「宵闇は俺の嫁!」とか………。
……おい、ちょっと待て、最後の言った奴、後で話があるからな。
最初のコメントを投稿しよう!