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「担任には連絡があったらしい」 屋上のフェンスに身体を預けながら、五十嵐が言う。 「ふーん、じゃあ、心配いらないな」 少し、もやもやするけど、沙夜が無断欠席した訳ではないという事は分かった。 五十嵐は続けて言う。 「“宵闇の保護者”から連絡があったそうだ」 沙夜の保護者? そんな人がいたのか? 「ねーねー! ゆとりん、さよっちが何で休んでるかって、本っ当に検討もつかないの?」 ヒミコはそんなつもりはないかも知れないけど、僕は責められている様に感じた。 「……うん、帰ったら家に行ってみる」 「そうか、俺もヒミコもちょっと用事があるから、今日も早く帰らねーと」 「夏休み! みんなで遊び行こうね!」 僕らは、学校を後にした。
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