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「久しぶりですね、伯母さん。年末に父とゲームしに来た以来ですか」 真理伯母さんの前に座りつつ言う。 ゲームと言うと、狩人を操りモンスターを狩るゲームで、僕はもちろん、双子の弟妹や両親もハマってやり尽くしたゲームだ。 「そうだね、早く新作出ないかなー」 「ハードが違うのなら、既に出てますよ?」 「いや、あれはちょっと私には向かないかな」 「確かに、同じハードで新作出してほしいですね」 だねー。と、しみじみしながら二人で無い物ねだりをしていた。 「えっと、今日は僕に用事だとか?」 雑談を切り上げ、本題に入る。 僕は早く沙夜の様子を見に行きたい。会えるかは別として。 「沙夜ちゃんを探すのは止めなさい」 真理伯母さんは言った。 静かに、僕の心を読んだように、そう言った。
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