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「少し話が逸れたね。戻すよ、良い?」
僕が頷くと、伯母さんはお茶を飲んで喉を潤し、さっきまで以上に饒舌に話し始めた。
「満月くんが戻って来ない、『宵闇』がそんな状況をいつまでも放って置く筈が無い。まあ、それでもあの男が動く事は無いし、そもそも気にもしないだろうけれど、『闇憑き衆』は違う。満月くんと同じ様に後天的に『宵闇』に成った者達は違う。彼らには不思議な同族意識がある。同じ『宵闇』の姓を名乗る彼らには、“家族”みたいな連帯感がある」
『闇憑き衆』
(やみつきしゅう)
満月みたいな奴が他にもいると言う事なのだろう。
後天的に『宵闇』になった者達が。満月のような殺人鬼が。
もしかしたら、満月以外にも沙夜の許婚を自称する輩がいるのかも。
「『闇憑き衆』は“家族”、“同族”、“同属”、“同類”、その全てが当て嵌まり、そのどれでも無い。同じ姓を名乗る殺人鬼の集団。まあ、家族とか言っても彼らは否定するだろうけど。そして、彼らは――」
既に、この町に来ている。
と、一拍置いてから、事の重大さを僕に伝えようと伯母さんは言った。
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