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「分かりました、忘れません」 ありがとうございます。と、頭を深く下げる。 床に擦りつけても足りないくらいだったけど。 「いいよいいよ。お節介は私の趣味だしねー。さあ! さあさあ! 物語を進めようか! 停滞が嫌いなんて言って、私自身が停滞させちゃ本末転倒だし!」 勢いよく立ちあがる伯母さんにつられて、僕も立ち上がる。 そして、僕の背中を思いきり叩き、言う。 「逝って恋! 性少年!」 「誤字が半端ない!?……え? あれ? 誤字ですよね!?」 台無しだった。 「あはは、真面目モードが長くて疲れちゃったよー。んじゃ、改めて“いってらっしゃい”」 「いってきます!」 僕は、伯母さんに背中を押され(物理的に)、家を脱兎の如く飛び出した。
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