009

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「あぁ、見ぃひんほうがえーよ。ゆとりくん」 「え? それって――」 「うっ……うぐガぁああっ!」 突然苦しみ出した不思議生命体。 上半身裸な為、胸やお腹のあたりが蠢いているのが見て取れる。 そして――内側から、爆ぜた。 白い腕が胸から飛び出し―― 白い肋骨を外向きに開きながら―― 赤い血飛沫を撒き散らし―― 赤黒い臓腑をこぼしながら―― 不思議生命体の上半身から、志高さんが出てきた。 その身に一切の血を浴びる事なく、血溜まりの中に佇む志高さんは、元の大きさに戻っていた。 いや、なんだか……もう……ね。 随分と無茶をするなぁ。
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