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「だーりん、ところでこいつ何なの? いきなりじゃない? こういうの、本では読んだ事あるけど」 「えっと、僕も良く分らないんだけど……多分、殺人鬼」 「殺人鬼! はは、面白いやん!」 おもろいって、他人事のように言うなぁ。 「そんな事より、“これ”どうしましょ?」 不思議生命体の残骸を指差し、志高さんが今さらのように言う。 全く志高さんは、学校の窓ガラスを廊下分丸々粉砕した時にも思った事だけど、後先考えない人だな。 「まぁ、放っておけばえーんちゃう?」 「いや、そう言う訳にはいかないでしょう」 そうなん? とか、無責任な事を言う小鹿さん。 殴り飛ばされた割に元気そうで、少し安心したけれど。 そこに、五十嵐が駆けて来て―― 「ゆとり――これは……すまん、遅れた」 「あぁ良いよ、五十嵐。僕らは無事だし、襲われたけどもう大丈夫」 二人に助けてもらったし、と付け加えた。
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