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「…………」
「五十嵐?」
五十嵐が怖い顔をして僕を睨む。
女の子二人に助けられた僕を非難しているのだろうか。まぁ、確かに情けない限りだったけど。
でも、五十嵐が引っかかったのはそこじゃなかったらしい。
「ゆとり、この惨状を見て――お前は平気なのか?」
平気か? なんて、平気な筈ないじゃないか。
何を言っているんだ? 五十嵐は。
「もちろん平気じゃないよ、五十嵐。うちの前がこんなに汚れちゃったら、流石に不愉快だよ。早く片付けないと、結構血液って綺麗にならないんじゃないの?」
「……お前、それ正気で言ってるのか?」
五十嵐? すごく怖いけど、どうしたのだろう?
「い、五十嵐? どうしたの? 何か怖いけど……」
「お前を俺は過小評価……いや、過大評価していたらしい。すまん、俺はお前に協力するつもりで来たが――俺はお前に協力出来ない」
すまない、と頭を下げる。
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